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BELS(ZEH・ZEB)

2026/10/26

住宅のBELSとは?評価を取得するメリットや補助金との関係・申請の流れを解説

住宅のBELSとは?評価を取得するメリットや補助金との関係・申請の流れを解説

住宅のBELS(ベルス)は、省エネ性能を第三者機関が評価し、星の数と評価書で示す制度です。2024年4月以降、新築住宅の販売・賃貸の広告等では省エネ性能ラベルの表示が必要となり、自己評価と第三者評価のどちらで進めるかを決める場面が増えました。補助金の申請でBELS評価書を求められるケースもあります。

当記事では、制度の位置づけとラベルの表示内容、取得によって得られるメリット、補助制度との関係、申請から交付までの手順を整理します。案件でBELSを使うかどうかの判断材料としてお役立てください。

1. BELS(ベルス)とは

BELSは、住宅や建築物の省エネ性能を第三者機関が評価して表示する制度です。建築物省エネ法に基づく表示告示に位置づけられており、評価の結果は省エネ性能ラベルと評価書という2つの形で交付されます。ここでは、制度としての位置づけと、ラベルに載る項目の2点から解説します。

1-1. 住宅の省エネ性能を第三者が評価する制度

BELSは、建築物の省エネルギー性能の評価と表示を機関が公正かつ適確に実施することを目的とした、表示告示で規定される第三者による評価です。2013年10月で、非住宅建築物の省エネ性能を表示するための評価ガイドラインが制定され、それに基づく評価としてスタートしました。

2023年9月には販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドラインが公表され、新しい省エネ性能表示制度が2024年4月から施行されました。BELSは、この改正に対応した第三者評価として運用されています。

評価を行うのはBELS登録機関です。住宅の利用は年々広がっており、2026年7月の1か月間に交付されたBELS評価書は、住宅が27,153件、非住宅が99件でした。戸建住宅から共同住宅まで、住宅分野が交付件数の大半を占めています。

出典:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「BELS評価書交付実績(BELS登録機関別)」2026年7月の実績

1-2. 省エネ性能ラベルと評価書に表示される内容

省エネ性能ラベルには、エネルギー消費性能と断熱性能が星マークや数字で表示されます。住戸のラベルには、これに目安光熱費とネット・ゼロ・エネルギーの達成状況が加わります。どのラベルを使うかは、建物の種類と評価方法、再生可能エネルギー設備の有無で決まる仕組みです。

表示項目表示される内容
エネルギー消費性能国が定める省エネ基準からの一次エネルギー消費量の削減率を星の数で表示
断熱性能UA値とηAC値を地域区分に応じた等級で評価し、家の形のマークで表示
目安光熱費設計二次エネルギー消費量に燃料等の単価を乗じた年間の光熱費
ネット・ゼロ・エネルギーZEHやZEBに該当する場合にマークを表示

断熱性能は、UA値とηAC値のそれぞれを等級で評価し、低いほうの等級が表示されます。窓の性能だけを高めても、躯体側の等級が下回っていれば表示は上がりません。

目安光熱費は住戸のラベルで表示のあり・なしを選べます。算出には全国統一の燃料単価を用いるため、実際に契約するエネルギー供給事業者や料金プランによって差が生じます。太陽光発電の売電量も算入されません。数値の性質を理解した上で、購入者への説明に使う必要があります。

2. 住宅でBELS評価を取得するメリット

住宅でBELS評価を取得すると、省エネ性能を共通の指標で示せるようになります。星の数による分かりやすさ、第三者評価としての客観性、販売・賃貸時の広告での活用、補助制度の要件確認という4つの観点から、取得によって得られるメリットを解説します。

2-1. 省エネ性能を星の数でわかりやすく示せる

星の数は、省エネ基準からどの程度エネルギー消費量を削減できているかを段階で表した指標です。再生可能エネルギー設備のない住宅では、削減率30%以上を上限とした5段階評価です。再エネ設備がある住宅では、削減率50%以上を上限とした7段階に広がります。

星1つで省エネ基準を達成した水準、星3つで誘導基準にあたる削減率20%以上の水準です。UA値やBEIといった数値を並べなくても、購入検討者が他の物件と横並びで比較できます。設計者や営業担当者にとっては、性能の説明にかける時間を短縮できる点が利点です。

2-2. 第三者評価として客観性を高められる

省エネ性能ラベルには、事業者が自ら評価して表示する自己評価と、評価機関が審査して表示する第三者評価の2通りがあります。BELSは後者にあたり、BELS登録機関が図面と計算結果を審査した上で評価書を交付します。

審査の過程で提出図書に不明な点や修正すべき点が見つかれば、機関から連絡が入り、対応するまで交付されません。社内で完結する自己評価と比べると、表示した性能値の裏づけが明確になります。分譲住宅の販売や賃貸住宅の募集で性能を訴求する場合、根拠を問われても提示できる書類があるため、説明の手間が減ります。

2-3. 販売・賃貸時の広告や接客で活用できる

2024年4月以降、事業者は新築建築物の販売・賃貸の広告等で省エネ性能ラベルを表示する必要があります。対象となるのは新聞・雑誌広告、チラシ、パンフレット、インターネット広告などです。表示方法は国土交通大臣が告示で定めており、従わなかった場合には勧告等が行われます。

既存建築物についても表示は推奨されていますが、表示しない場合でも勧告等の対象にはなりません。新築を扱う事業者にとっては、広告制作の前提としてラベルを用意しておく作業が発生します。BELS評価書を取得しておけば、第三者評価のラベルをそのまま広告物や販売資料へ展開でき、接客時にも同じ根拠で説明を進められます。

2-4. 補助制度の要件確認に活用できる

BELS評価書には、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量の削減率が記載されます。新築住宅向けの補助制度が求める水準も同じ指標で示されているため、自社の設計がどの区分に届いているかを1枚の書類で確認できます。

等級と削減率が数値で確定していれば、断熱材の厚みや窓の仕様を見直すべきかどうかを基本設計の段階で判断できます。補助制度を前提とする案件で着工前に性能値を押さえることで、区分の変更や仕様の見直しに使える時間が残ります。

3. 住宅のBELS評価と補助金の関係

新築住宅向けの補助制度では、補助の対象となる省エネ性能の水準が定められており、その適合を第三者機関の証明書類で示す必要があります。求められる水準、BELS評価書の使われ方、制度ごとの期間と要件の確認方法を順に解説します。

3-1. 補助制度で求められる省エネ性能の水準

住宅省エネ2026キャンペーンの一事業であるみらいエコ住宅2026事業では、新築住宅を3つの区分に分けて補助額を設定しています。区分ごとの省エネ性能の要件と補助額は下表の通りです。

区分断熱等性能等級一次エネルギー消費量の要件補助額(1〜4地域/5〜8地域)
GX志向型住宅等級6以上再エネを除く削減率35%以上125万円/110万円
長期優良住宅等級5以上一次エネルギー消費量等級6以上80万円/75万円
ZEH水準住宅等級5以上再エネを除く削減率20%以上40万円/35万円

GX志向型住宅では、上記に加えて高度エネルギーマネジメントの導入が求められます。さらに戸建住宅では、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量削減率100%以上も必要です。

削減率の要件は立地で変わり、寒冷地または低日射地域は75%以上、多雪地域または都市部狭小地等は要件なしという扱いです。

補助対象者にも違いがあります。GX志向型住宅はすべての世帯が対象ですが、長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯または若者夫婦世帯に限られます。

出典:みらいエコ住宅2026事業「新築住宅の省エネ性能」

出典:住宅省エネ2026キャンペーン「キャンペーンについて【新築】」

3-2. 性能を証明する書類としてBELS評価書を使う場合

みらいエコ住宅2026事業では、申請する住宅が各区分の基準に適合することの証明を、登録住宅性能評価機関等の第三者機関から受ける必要があります。GX志向型住宅の提出書類は、要件となる断熱等性能等級と削減率を満たすBELS評価書か、設計住宅性能評価書または建設住宅性能評価書のいずれか1つです。

ZEH水準住宅では、BELS評価書のほか、住宅性能評価書や低炭素建築物新築等計画認定通知書など複数の書類から1つを選べます。ZEHマークの記載がないBELS評価書でも、要件への適合を確認できる一次エネルギー消費量計算結果を追加提出できれば対象です。

共同住宅では住戸ごとに評価されたものが必要で、GX志向型住宅の場合は住棟の評価も求められます。交付申請の予約時点で評価書が間に合わないときは、発行依頼済みであることを示す発行受付書でも申請できます。ただし証明書の発行には手数料がかかり、発行を受けたからといって補助金の交付が約束されるわけではありません。

出典:みらいエコ住宅2026事業「住宅の性能を証明する住宅証明書等の一覧」

3-3. 制度ごとに対象期間と要件を確認する

補助制度には予算の上限があるため、補助金申請額が上限に達した時点で交付申請の受付は終了します。住宅省エネ2026キャンペーンでは、2026年8月28日時点の申請額の割合が、新築のGX志向型住宅分で52%、長期優良住宅・ZEH水準住宅分で26%と公表されています。

受付期間も区分ごとに異なります。注文住宅の新築のうちZEH水準住宅に限っては、第2期の交付申請の受付が2026年9月30日までとされ、交付申請の予約は2026年8月18日に受付を終了しました。着工前に、対象となる区分の受付状況と締切を公式サイトで確認しておく必要があります。

出典:住宅省エネ2026キャンペーン「予算に対する補助金申請額の割合」2026年8月28日時点

4. 住宅でBELS評価を取得するまでの流れ

BELS評価は、図面と設備仕様の資料をそろえ、外皮性能と一次エネルギー消費量を計算し、評価機関へ申請して審査を受ける流れで進みます。各段階で用意する資料と確認事項を、4つのステップに分けて解説します。

4-1. 図面と設備仕様の資料を準備する

申請には、建築物省エネ法施行規則第1条で明示すべきとされた事項が確認できる図書が必要です。住宅と非住宅に共通して求められるのは、次の書類です。

  • 設計内容説明書
  • 付近見取図、配置図
  • 仕上げ表を含む仕様書
  • 各階平面図、床面積求積図、用途別床面積表
  • 立面図、断面図または矩計図、各部詳細図
  • 各種計算書

住宅ではこれに機器表が加わり、暖房設備や冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備について、種別・位置・仕様・数・制御方法を記載します。断熱材の仕様、窓の熱貫流率、各設備の能力といった省エネ基準に関わる情報は、図面上に明記しておく必要があります。

出典:一般財団法人日本建築センター「省エネ適合性判定 判定の提出要領」

4-2. 外皮性能と一次エネルギー消費量を計算する

住宅では、外皮性能と一次エネルギー消費量の両方を計算します。外皮の評価に使う指標はUA値とηAC値の2つで、基準値は全国を8つに分けた地域区分ごとに異なる設定です。一次エネルギー消費量は、暖冷房・換気・照明・給湯といった設備の仕様をもとに算出します。

計算には、建築研究所が公開している住宅向けのエネルギー消費性能計算プログラムを使います。表示される断熱性能の等級はUA値とηAC値のうち低いほうで決まるため、日射遮蔽の検討が抜けていると、断熱材を厚くしても等級が伸びないという結果になりかねません。

4-3. BELS評価機関へ申請する

計算結果がそろったら、BELS登録機関へ申請します。日本建築センターの場合、提出する書類はBELSに係る評価申請書、委任状、設計内容説明書、添付図書、評価物件の掲載承諾書、連絡票の6種類です。

評価料金は各機関の料金規程に基づき、建築物の延べ面積に応じて算定されます。金額は申請後に発行される引受承諾書へ記載され、この承諾書の発行をもって業務約款に基づく契約が成立する流れです。申請先となる機関は、住宅性能評価・表示協会の申請窓口検索から探せます。

4-4. 審査を経て評価書とラベルの交付を受ける

申請後は評価機関の審査に進み、完了すると引受承諾書に定められた期日までに省エネ性能ラベルとBELS評価書が交付されます。審査で提出図書の内容に不明な点があったり修正が必要になったりした場合は機関から連絡が入るため、対応の時間も日程に織り込んでおきましょう。

交付を受けた後に計画を変更したときは、変更評価申請を行います。設備の型番変更や間取りの修正が生じやすい住宅では、竣工までに変更が発生する前提でスケジュールを組んでおくと、補助金の申請期限に間に合わないという事態を避けられます。

5. 住宅のBELS申請をスムーズに進める方法

BELS申請でつまずきやすいのは、性能の確認が遅れて設計をやり直す場面と、図面の情報不足で審査が止まる場面です。設計段階での性能確認、資料の準備、外部への依頼という3つの対策を解説します。

5-1. 設計段階から省エネ性能を確認しておく

補助制度の水準は、断熱等性能等級6や再エネを除く削減率35%以上といった、設計内容そのものを左右する条件です。着工後に不足が判明すると、断熱仕様や設備の変更が必要になり、追加のコストと工期が生じかねません。

多くの評価機関は事前相談を随時受け付けています。基本設計の段階で目標とする区分を決め、簡易な計算で見通しを立てておけば、後戻りの少ない進め方ができます。

5-2. 必要な図面と仕様を早めにそろえる

審査が止まる原因の多くは、図面に省エネ基準に関わる情報が記載されていない点にあります。断熱材の種類と厚み、窓の熱貫流率、給湯器や換気設備の型番と能力は、計算にも審査にも欠かせない情報です。

設備の選定が固まらないまま申請すると、確定後に計算をやり直すことになります。矩計図や各部詳細図に断熱の納まりを描き込み、機器表を先に埋めておけば、交付までの日数を縮められます。

5-3. 省エネ計算とBELS申請を代行会社に依頼する

社内に計算の担当者がいない場合は、省エネ計算の代行会社へ依頼する方法があります。外皮計算と一次エネルギー消費量計算に加え、BELS申請書類の作成や評価機関への提出まで請け負う会社もあります。

依頼先を選ぶときに確認したいのは、対応できる業務の範囲、住宅と非住宅それぞれの実績、料金、納期、提出代行の有無の5点です。補助金の締切から逆算して、必要な資料を渡してから納品までにかかる日数を確認しておくと、スケジュールの見通しが立てやすくなります。

まとめ

住宅のBELSは、省エネ性能を第三者機関が評価し、星の数と評価書で示す制度です。取得すれば、広告で使う省エネ性能ラベルの根拠が明確になり、みらいエコ住宅2026事業の証明書類としても使えます。区分ごとの要件は断熱等性能等級と削減率で定められ、設計内容そのものを左右するため、着工前の確認が欠かせません。

省エネナビゲーターでは、省エネ計算やBELS申請に対応する代行会社を、業務範囲・実績・料金・納期・提出代行の有無から比較できます。自社で対応するか外注するかを判断する材料も整理しています。パートナー選びにぜひお役立てください。

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