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住宅性能評価

2026/10/26

認定低炭素住宅とは?補助金・税優遇措置と認定要件を解説

認定低炭素住宅とは?補助金・税優遇措置と認定要件を解説

認定低炭素住宅は、ZEH水準の省エネ性能と再生可能エネルギー利用設備を備え、所管行政庁の認定を受けた住宅です。施主から補助金や税優遇について尋ねられたとき、2022年の基準改正を踏まえない古い数値で説明すると、後から訂正が必要になります。認定申請ができるのは着工前に限られるため、提案の段階で段取りを決めなければなりません。

当記事では、認定低炭素住宅の認定要件、住宅ローン減税と登録免許税の軽減、みらいエコ住宅2026事業を含む支援策、認定までの手順を紹介します。

1. 認定低炭素住宅の認定を受けるための要件

認定低炭素住宅は、都市の低炭素化の促進に関する法律に基づき、所管行政庁が低炭素建築物新築等計画を認定した住宅です。同法はエコまち法とも呼ばれ、認定するのは建築地の都道府県、市または区になります。認定の要件は次の7つです。

  • 建築地が市街化区域等に該当する
  • ZEH水準の省エネ性能を満たす
  • 再生可能エネルギー利用設備を導入する
  • 9つの低炭素化措置から1項目以上を採用する
  • 一戸建て住宅の場合は50%要件を満たす
  • 国の基本方針に照らして計画が適切である
  • 資金計画が適切である

市街化区域等とは、市街化区域と、区域区分が定められていない都市計画区域のうち用途地域が定められている土地の区域です。

ZEH水準の省エネ性能は、外皮性能と一次エネルギー消費性能の2つで判定されます。外皮性能は強化外皮基準に適合する必要があり、UA値は1・2地域が0.4以下、3地域が0.5以下、4〜7地域が0.6以下です。また、一次エネルギー消費量は省エネ基準から20%以上の削減が必要です。

低炭素化措置の9項目は、節水対策が2項目、エネルギーマネジメントが2項目、V2H充放電設備の設置が1項目、ヒートアイランド対策が1項目、躯体の低炭素化が3項目という構成です。一戸建て住宅だけに課される50%要件とは、省エネによる削減量と再生可能エネルギー利用設備の創エネ量の合計が、基準一次エネルギー消費量の50%以上になることを指します。

出典:国土交通省「エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要 令和4年10月版」

出典:住宅性能評価・表示協会「低炭素建築物とは|低炭素建築物認定制度」

2. 認定低炭素住宅で受けられる税優遇

認定低炭素住宅の税優遇は、施主自身が確定申告や登記の際に手続きして受ける制度です。設計側が段取りするのは認定通知書と証明書の手配までで、住宅ローン減税の確定申告は施主自身が行います。ここでは、税優遇を3つの制度に分けて解説します。

出典:国土交通省「認定低炭素住宅を新築・取得したときに利用できる減税制度」

2-1. 住宅ローン減税・借入限度額の優遇

認定低炭素住宅の借入限度額は4,500万円で、子育て世帯等に該当する場合は5,000万円に引き上げられます。借入限度額は認定長期優良住宅と同じです。 2026年1月1日から2030年12月31日までに入居する新築住宅の限度額は下記の通りです。

住宅の区分借入限度額子育て世帯等控除期間
認定低炭素住宅4,500万円5,000万円13年
認定長期優良住宅4,500万円5,000万円13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年

出典:国土交通省「住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅を取得したとき」

省エネ基準適合住宅は2028年以降に入居する場合は原則として適用対象外ですが、2027年末までに建築確認を受けた住宅、または2028年6月30日までに建築された住宅は借入限度額2,000万円・控除期間10年で適用されます。

控除率は年末のローン残高の0.7%です。床面積は40m2以上が原則ですが、合計所得金額が1,000万円を超える場合や、子育て世帯等への借入限度額の上乗せ措置を利用する場合は50m2以上が条件です。子育て世帯等とは、19歳未満の扶養親族がいる世帯か、夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。確定申告では低炭素住宅認定通知書の写しなどを提出します。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」

2-2. 投資型減税

住宅ローン減税を適用しない場合は、投資型減税で所得税から控除を受けられます。 正式な名称は認定住宅等新築等特別税額控除で、標準的な性能強化費用相当額の10%を控除します。相当額は45,300円に床面積を掛けた額で、上限650万円のため控除額は最大65万円です。

住宅ローン減税との併用はできないため、借入れを伴う案件では施主がどちらかを選びましょう。

2-3. 登録免許税の税率軽減

認定を受けた新築・未入居の住宅用家屋は、登録免許税の税率が0.1%に下がります。

適用されるのは2027年3月31日までに新築された住宅で、新築または取得から1年以内の登記と床面積50m2以上が要件です。軽減には、登記の際に市区町村発行の住宅用家屋証明書の添付が必要になります。

出典:国土交通省「認定低炭素住宅を新築・取得したときに利用できる減税制度」

3. 認定低炭素住宅で検討できる補助金・融資支援

認定低炭素住宅は、税優遇とは別に国や自治体の補助金、住宅ローンの金利引下げの対象になる場合があります。補助金には申請期限と予算上限があるため、資金計画の段階で確認が必要です。ここでは、検討できる支援策を3つに分けて解説します。

3-1. みらいエコ住宅2026事業

戸建住宅であれば、低炭素建築物新築等計画認定通知書をZEH水準住宅の証明書として使えます。2022年10月1日以降に所管行政庁へ認定申請したものが対象です。注文住宅の新築の補助額は下記の通りです。

補助対象住宅1〜4地域の補助額5〜8地域の補助額
GX志向型住宅1戸あたり125万円1戸あたり110万円
長期優良住宅1戸あたり80万円1戸あたり75万円
ZEH水準住宅1戸あたり40万円1戸あたり35万円

出典:みらいエコ住宅2026事業「対象要件の詳細 注文住宅の新築」

補助の対象は子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかで、子は2025年4月1日時点で18歳未満、若者は同日時点で39歳以下が基準です。要件を満たす古家の除却を行う場合は、20万円を上限とした加算も受けられます。

注文住宅のZEH水準住宅は、2026年9月30日をもって交付申請の受付が終了しており、2026年10月時点では新たに申請できません。予算上限に達した時点で締め切られる仕組みのため、次年度以降の事業を使う場合は期限と予算の残りを確認しましょう。また、同一住宅で国の他の補助制度と重複して受給はできないため、同事業内でどの区分を申請するかを先に決める必要があります。

出典:みらいエコ住宅2026事業「※重要※注文住宅の新築(ZEH水準住宅)の交付申請の受付を終了しました。」

3-2. 自治体の補助金の対象になる

省エネ性能の高い住宅に向けて、国の制度とは別の補助制度を設けている自治体があります。制度の有無、対象となる住宅性能、補助額、国の補助金との併用可否は自治体ごとに異なります。建築地の自治体の公式サイトか窓口で確認が必要です。みらいエコ住宅2026事業では、地方公共団体の補助制度は国費が充当されているものを除いて併用できると定められています。

出典:みらいエコ住宅2026事業「対象要件の詳細 注文住宅の新築」

3-3. フラット35Sの金利引下げの対象になる

新築の認定低炭素住宅は、フラット35S(金利Aプラン)の省エネルギー性の技術基準に含まれます。金利Aプランの引下げ幅は当初5年間で年0.5%です。

フラット35Sには予算金額があり、達する見込みとなった時点で受付が終了します。また、土砂災害特別警戒区域内などで新築する場合は利用できない点にも注意しましょう。

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】S」

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】S プランと技術基準」

4. 認定低炭素住宅の認定を受ける手順

認定申請は着工前に所管行政庁へ行う必要があり、着工後は申請できません。認定の流れは下記の通りです。

1建築地が市街化区域等に該当するかを確認する
2所管行政庁に認定の区分と技術的審査の取扱いを確認する
3登録住宅性能評価機関等へ技術的審査を依頼し、適合証を受け取る
4適合証を添えて所管行政庁へ認定申請する
5認定通知書の交付を受けて着工する
6税優遇や補助金の申請で認定通知書を使う

所管行政庁が登録住宅性能評価機関等の技術的審査を活用する方式をとっている場合、認定申請に先立って審査を受け、交付された適合証を添付して申請できます。技術的審査の対象となる認定基準の区分は所管行政庁が定めるため、依頼前に区分を確認します。建築物の認定を受けた後に住戸の認定を受ける場合も、すでに着工していると新たな申請はできません。

審査には外皮計算と一次エネルギー消費量計算の結果が必要で、断熱仕様と設備仕様を実施設計の段階で固めることになります。申請手数料は所管行政庁ごとに定められているため、見積り時に建築地の所管行政庁へ問い合わせましょう。交付された認定通知書は、住宅ローン減税の確定申告とみらいエコ住宅2026事業の交付申請の双方で使用します。

出典:日本住宅保証検査機構「低炭素建築物の技術的審査」

まとめ

認定低炭素住宅は、ZEH水準の省エネ性能と再生可能エネルギー利用設備を備え、9項目の低炭素化措置から1項目以上を満たして認定を受ける住宅です。住宅ローン減税の登録免許税などの税優遇に加え、戸建住宅ならみらいエコ住宅2026事業の補助金やフラット35Sの金利引下げも検討できます。ただし認定申請ができるのは着工前だけです。

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