おすすめの省エネ計算代行会社をご紹介

おすすめの省エネ計算代行会社をご紹介

省エネナビゲーター

BELS(ZEH・ZEB)

2026/10/26

Nearly ZEBとは?評価基準やほかのZEBとの違い・メリットを解説

Nearly ZEBとは?評価基準やほかのZEBとの違い・メリットを解説

Nearly ZEBとは、省エネで基準一次エネルギー消費量から50%以上、再生可能エネルギーを含めて75%以上100%未満の削減を達成した建築物です。2025年4月から、原則すべての新築住宅・非住宅建築物に省エネ基準への適合が義務づけられました。

出典:国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座 省エネ基準適合の義務化」

ZEBには達成水準などに応じた4区分があり、太陽光発電の導入だけで認められるものではありません。

当記事では、Nearly ZEBの評価基準やほかのZEBとの違い、達成に向けた取り組み、メリットを解説します。ZEB化を検討する際に、ぜひ参考にしてください。

1. Nearly ZEBの定義とは

Nearly ZEBは、省エネによって建物で消費するエネルギーを大幅に減らし、太陽光発電などの再生可能エネルギーを加えることで、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた建築物です。

ZEBには複数の区分があるため、まずはNearly ZEBの基本的な考え方と位置づけを確認しましょう。

1-1. ZEBに限りなく近い水準として位置づけられる建築物

Nearly ZEBとは、省エネだけで基準一次エネルギー消費量から50%以上削減し、再生可能エネルギーを含めて75%以上100%未満の削減を達成した建築物です。

ZEBは、室内環境の質を維持しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーについて、収支ゼロを目指す考え方です。断熱性能を高める、高効率な空調・照明設備を導入するといった省エネによって消費量を減らし、太陽光発電などによる再生可能エネルギーを加えます。

ただし、建物の用途や形状、敷地条件によっては、エネルギー収支を完全にゼロにすることが難しい場合もあります。Nearly ZEBは、収支ゼロには届かないものの、計算上の一次エネルギー消費量を75%以上削減した水準です。

なお、ZEBの判定は、実際の運用後に計測した電気・ガス使用量ではなく、省エネ計算によって求める設計一次エネルギー消費量にもとづいて行われます。

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBの定義」

1-2. 『ZEB』とZEB Readyの中間に位置づけられる

Nearly ZEBの削減水準は、エネルギー収支ゼロを実現する『ZEB』と、省エネだけで50%以上削減するZEB Readyの間に位置します。

Nearly ZEBを目指す場合、まず建物自体の省エネ性能を高め、再生可能エネルギーを除いた状態で50%以上の削減を達成する必要があります。その上で、敷地内の再生可能エネルギーを加え、削減率を75%以上へ引き上げます。

再生可能エネルギーを含む削減率が75%以上100%未満であればNearly ZEB、100%以上であれば『ZEB』です。Nearly ZEBは、『ZEB』には届かないものの、ZEB Readyよりも再生可能エネルギーを含めた削減率が高い区分と言えます。

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBの定義」

2. Nearly ZEBの評価基準

Nearly ZEBの評価では、「省エネだけでどの程度削減できたか」と「再生可能エネルギーを含めてどの程度削減できたか」を分けて確認します。

どちらか一方を満たせばよいわけではありません。ここでは、2つの数値要件と、判定に用いるBEIについて解説します。

2-1. 省エネで基準一次エネルギー消費量から50%以上削減する

1つ目の要件は、再生可能エネルギーによる削減分を除いた状態で、基準一次エネルギー消費量から50%以上削減することです。

基準一次エネルギー消費量とは、地域や建物用途、室の使用条件などに応じて算出される、比較基準となる一次エネルギー消費量です。

省エネだけで50%以上削減するという条件は、『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Readyに共通しています。太陽光発電による削減量が多くても、建物自体の省エネ性能が50%削減に達していなければ、Nearly ZEBには該当しません。

まずは外皮性能の向上や高効率設備の導入によって、建物で消費するエネルギーそのものを減らす必要があります。

2-2. 創エネを含めて75%以上100%未満削減する

2つ目の要件は、敷地内で生み出す再生可能エネルギーを含め、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満削減することです。

再生可能エネルギーを含む削減率が100%以上になれば『ZEB』です。75%未満の場合でも、再生可能エネルギーを除いて50%以上削減していればZEB Readyに該当します。

Nearly ZEBを目指す場合は、まず省エネで50%以上の削減を確保し、その後、太陽光発電などによって削減率を75%以上へ引き上げます。設置できる設備容量や想定発電量を確認し、所定の計算方法で削減率を求めることが必要です。

2-3. 評価対象となるエネルギーとBEIの考え方

ZEBにおける一次エネルギー消費量の評価対象は、空気調和設備、空気調和設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備、昇降機の5つです。

家電やOA機器などの「その他一次エネルギー消費量」は評価対象に含まれません。そのため、ZEB評価上の数値と、実際の建物全体における電気・ガス使用量は一致しない場合があります。

判定にはBEIを用います。BEIは、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割った値です。Nearly ZEBでは、再生可能エネルギーを除いたBEIが0.50以下、再生可能エネルギーを含むBEIが0.00超0.25以下である必要があります。再生可能エネルギーを含むBEIが0.00以下になれば『ZEB』です。

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBの定義」

3. Nearly ZEBとほかのZEBの違い

ZEBには、Nearly ZEB以外に『ZEB』、ZEB Ready、ZEB Orientedがあります。『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Readyは主に削減率で分けられますが、ZEB Orientedは大規模建築物を対象とする区分です。

3-1. 一次エネルギー消費量の削減水準が異なる

建築物全体を評価する場合、4つのZEB区分では、一次エネルギー消費量の削減率や建物規模などの要件が異なります。

区分省エネだけの削減率再生可能エネルギーを含む削減率その他の主な要件
『ZEB』50%以上100%以上―
Nearly ZEB50%以上75%以上100%未満―
ZEB Ready50%以上75%未満再生可能エネルギーの導入は必須ではない
ZEB Oriented事務所等・学校等・工場等は40%以上、ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等は30%以上要件なし非住宅部分の延べ面積が10,000m2以上で、未評価技術を導入する

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBの定義」

『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Readyは、省エネだけで50%以上削減する点が共通しています。再生可能エネルギーを含む削減率が100%以上なら『ZEB』、75%以上100%未満ならNearly ZEB、75%未満ならZEB Readyです。ZEB Readyでは、再生可能エネルギーの導入は必須ではありません。

一方、ZEB Orientedは、非住宅部分の延べ面積が10,000m2以上の大規模建築物を対象とする区分です。用途に応じた削減率を満たすことに加え、空気調和・衛生工学会において省エネ効果が高いと見込まれ、公表された未評価技術を導入する必要があります。複数用途建築物を建築物全体で評価する場合は、用途ごとに所定の削減率を満たすことも要件です。

3-2. 再生可能エネルギーの扱いが異なる

『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Readyでは、再生可能エネルギーを含む削減率によって該当区分が変わります。一方、ZEB Orientedの削減率は、再生可能エネルギーを除いて評価します。

算入できる再生可能エネルギーは、敷地内で生み出すものに限定されます。自家消費分に加え、敷地内の設備で発電した電力のうち、余剰売電する分も対象です。

敷地外の発電所から調達する再生可能エネルギーや、非化石証書などの購入による環境価値は算入できません。Nearly ZEBを目指す場合は、敷地内で確保できる再生可能エネルギー量が重要です。

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBの定義」

4. Nearly ZEBの評価基準を満たすための取り組み

Nearly ZEBを達成するには、太陽光発電設備を導入するだけでなく、建物自体の省エネ性能を高める必要があります。

「省エネだけで50%以上削減する」「再生可能エネルギーを含めて75%以上まで高める」という順序で検討しましょう。

4-1. 外皮性能や設備効率を高めて50%以上の省エネを目指す

最初に取り組むのは、建物の負荷を抑え、必要となるエネルギーそのものを減らすことです。

ZEB化に用いられる代表的な技術には、高性能断熱材、断熱・遮熱窓、庇による日射遮蔽、自然採光などのパッシブ技術があります。高効率空調や高効率照明などのアクティブ技術、BEMSなどのエネルギーマネジメント技術も選択肢です。

たとえば、開口部は外皮の中でも熱が出入りしやすいため、Low-E複層ガラスなどを採用することで熱の出入りを抑えられます。

ただし、夏は日射を遮ることで冷房負荷を減らせる一方、冬は日射熱を取り入れることで暖房負荷を抑えられる場合があります。窓の性能だけでなく、方位や庇、ブラインドなどを含めて建物全体で検討することが重要です。

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBを実現するための技術」

4-2. 太陽光発電などの創エネで削減率を高める

省エネだけで50%以上削減したら、敷地内の再生可能エネルギーを加え、削減率を75%以上へ引き上げます。

代表的な方法は太陽光発電設備の導入です。ZEB評価に算入できる再生可能エネルギーは敷地内で生み出したものに限られるため、設置可能な容量がNearly ZEBを達成できるかどうかを左右します。

ただし、発電量はパネルの定格容量だけで決まるものではありません。設置条件などを反映し、所定の方法で計算する必要があります。再生可能エネルギーを含む削減率が75%以上100%未満であればNearly ZEB、100%以上に達すれば『ZEB』に該当します。

出典:環境省「ZEB PORTAL ZEBの定義」

5. Nearly ZEBを目指すメリット

Nearly ZEBを目指すことで、エネルギー消費量の削減に加え、建築物の省エネ性能を対外的に示せます。条件に合う補助制度が実施されている場合は、設備の導入費用などに対する支援を受けられる可能性もあります。

5-1. エネルギー消費量と光熱費を削減できる

Nearly ZEBでは、省エネだけで50%以上の一次エネルギー消費量削減が求められるため、空調や照明などにかかる光熱費の削減が期待できます。

環境省が掲載している延べ面積10,000m2程度の事務所ビルを想定した試算では、ZEB化によって、標準的なビルと比べて40~50%程度の光熱費削減が示されています。

ただし、これは2016年8月時点の電力・ガス料金などを用いたモデル試算です。OA機器などの消費電力も含まれていません。実際の削減額は、建物の用途や設備、運用状況、エネルギー価格によって異なります。

出典:環境省「ZEB化のメリット」

5-2. 建築物の省エネ性能を対外的に示せる

Nearly ZEBの要件を満たした建築物は、BELSによる第三者評価を受けることで、Nearly ZEBであることを表示できます。

BELSは、建築物の省エネルギー性能を第三者評価機関が評価・表示する制度です。共通の評価基準にもとづいて、建物の環境性能を利用者や入居者、取引先などへ伝えられます。

なお、Nearly ZEBの計算要件を満たすことと、BELS評価書を取得することは同じではありません。BELSによる表示を行うには、登録BELS機関へ申請して評価を受ける必要があります。

出典:環境省「ZEBに関連する評価・認証・表示制度」

5-3. 補助制度の活用を検討できる

国や自治体では、ZEB化を支援する補助制度が設けられることがあります。条件に合う制度を利用できれば、ZEB化に必要な設備などの導入費用に対する補助を受けられる可能性があります。

環境省の2026年度当初予算には、「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」が計上されています。また、SIIでは2026年度ZEB実証事業の公募が行われました。2026年9月3日時点では、一次公募と二次公募はいずれも受付を終了しています。

補助制度は、建物の用途や規模、申請者、ZEB水準、対象設備、公募期間などが制度ごとに異なります。利用を検討する場合は、基本設計の段階で該当年度の公募要領を確認しましょう。

出典:環境省「支援制度」

出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和8年度 ZEB実証事業」

出典:環境省「令和8年度(2026年度)当初予算」

まとめ

Nearly ZEBは、省エネだけで基準一次エネルギー消費量から50%以上、敷地内の再生可能エネルギーを含めて75%以上100%未満の削減を達成する建築物です。実現するには、外皮性能の向上や高効率設備の導入で省エネ性能を高め、その上で太陽光発電などを組み合わせます。

省エネナビゲーターでは、省エネ計算代行会社の業務範囲・実績・料金例・納期の目安などを紹介しています。Nearly ZEBをはじめとしたZEB化を検討する際のパートナー選びに、ぜひお役立てください。

一覧に戻る